なぜ同じ既存宅地でも扱いが分かれるのか？

2025.09.30(Tue) 解体の知識

既存宅地が「第一種低層住居専用地域」と「第二種低層住居専用地域」のいずれかと同じ扱いになる理由は、主に以下のような都市計画上の背景や地域特性によるものです。

第一種低層住居専用地域：
- 住宅専用の静かな環境を守るため、店舗や事務所の建築は原則不可。
- 兼用住宅（住宅＋小規模店舗）は可能だが、店舗部分は50㎡以下など厳しい制限あり。
第二種低層住居専用地域：
- 第一種と同様に低層住宅中心だが、150㎡以下の小規模店舗や飲食店の建築が可能。
- 生活利便性を高めるため、コンビニやカフェなどが立地できる。

都市計画決定時の地域特性：
- 既存宅地の周辺に店舗やサービス施設が多く、住民の生活利便性を維持する必要がある場合は「第二種」として扱われることが多い。
- 一方、静かな住宅街として保全したい地域では「第一種」として扱われる。
住民の意向や行政判断：
- 地元住民の要望や地域の将来像に基づき、用途地域が決定される。
- 例えば「商業施設は不要」という声が強ければ第一種に、「近隣に店舗が欲しい」という声があれば第二種に指定される傾向があります。
道路幅員や建築基準法の条件：
- 第一種でも、前面道路が9m以上など一定条件を満たせば、例外的に店舗建築が可能なケースもあります。

これは「一律に既存宅地＝第一種／第二種」とするのではなく、
地域ごとの都市計画の方針や住民ニーズ、既存の建築物の状況を踏まえて、
行政が個別に判断しているためです。